酒の強い弱い問題、いい加減どうにかしませんか?
酒の強い弱い問題、いい加減どうにかしてほしいんです。
あまりにも基準が適当過ぎませんか? その時に属しているグループで強い弱いの基準ってバラバラじゃないですか。こっちのグループでは酒強い扱いだけど、こっちでは弱い扱いみたいなこと普通にあるじゃないですか。
僕自身もその時のメンツ次第で、最弱な場合もあるし、最強の場合もある、くらいの中途半端な酒量なんですよ。だから「お酒強いんですか?」って質問に対して、「別に全然ですけど、好きですし、いいなと思います」みたいな恋愛について聞かれたアイドルぐらい何も言ってない回答をしてしまう。
でも、突き抜けて強いか弱いかしない限り、堂々と答えられないと思うんですよ。世の中の大半であろう、肝臓レベル3~49くらいの人はこういう無の回答をせざるを得ない。もうこの時点でこの質問の意味なんてないじゃないですか。
じゃあ質問する側が悪いのかと言われればそうでもない。やっぱり酒量の合う人と飲むのは楽しいし、そういう人たちとの飲み会の方が酒が進んで盛り上がったりするし、この質問自体は悪じゃない。
じゃあ、何が悪いのか。「強い弱い」みたいな原始時代のウホウホドンキーくんな価値観でしか酒量を言い表せないのが悪いに決まってるんです。いつまで時代遅れの相対評価をやってんだよ。そのせいで世界には色んな悲劇が生まれている。
なんか「お酒大好き」で知れ渡ってるような人たまにいるじゃないですか。
この場合の大好きというのは大抵「強いし、飲ませたがり」という意味を含んでいるわけですけど。そういう人の前で、僕より弱い人が僕のことを指して「こいつも酒好きなんで」みたいなことを言ってくることたまにあるんですけど、あれは本当にやめてほしい。
お酒大好きな人が"キンッ"って目をするから。血に飢えた剣豪が好敵手を見つけた時の目をする。やめろ。するな。「ほほう…、その太刀筋…、面白い…」の目をするな。
「いやいや、僕全然弱いんで」みたいなこと言っても、もうすっかり「油断させようって肚か? その手は喰わぬわ!」の目じゃん。違うって。助けてくれ。俺は百姓だ。
なんなんだよ、その「実際に刀を合わせてみるまではわからぬ」みたいなシステムは。そこだけ江戸未満かよ。なんか「酒豪」みたいな言い方も腹立つ。剣豪気取るなって。酒強いだけだろ。無駄に凛とすんな。
で、そういう悲劇を回避するためにさ、一回で飲む酒量を申告するアレあるじゃないですか。でもそれって結局、何時間で飲んだかで変わってくるじゃん。テキーラ3杯を10分で飲んだのか、8時間で飲んだのかで意味は全然違う。
だから正確な強さを計るには「酒量÷時間」の毎時ペースの飲酒量を答えるべきだと思うんです。さらに言うなら、人によって酒の種類で得意不得意もあるので、メジャーな種類の酒ごとに答えるべき。これが解決策。これこそが正義。
でも、世の中そんな奴いないんですよね。「お酒強いんですか?」に対して「焼酎を毎時2.4杯ペースです」って答える奴いる? 地球の文化にまだ慣れてない高次元知的生物だけだろ、そんなの。
そもそもそんな答え方浸透してないからその数値が強いか弱いかもわからん。そう思ってたら、「ワインなら毎時3.2杯ペース。ビールなら2.5杯ペース。日本酒なら…」と続けられたらヤベぇだろ。その場にいたこっちの正体を知ってる地球での面倒役から「ははは…、こいつちょっと変わってるんだ」とフォローされて、「おい、いいからお前は黙って酒でも飲んでろ」と小声で耳打ちされたから、きっちり毎時2.4杯ペースになるようにストローで等速度で酒を飲み初めて、店員にギョッとされて、面倒役は頭を抱えて、客席が「Oh~」って沸く、NHKに放映権を買われて、不定期にちょこちょこ放送されて、その世代の子ども達の記憶には残り、同世代の飲み会とかでポロっと話題に出すと異様に盛り上がるタイプの、吹き替えを所ジョージがやっている、宇宙人コメディものの海外ドラマかよ。かよって。なあ、違うの? 違うか。
僕が出会った中で最もインターネットだった男
僕はインターネットというものを神聖視し過ぎているところがある。
いや、この場合のインターネットは「インターネット」という単語の話であって、ブロバイダとか回線とかブラウザとかそういう話じゃない。僕は勝手にインターネットという単語に、それ以上の意味を付けてしまっている。好き過ぎて。
「お前、インターネットだな」というのが、僕の中で最大級の誉め言葉であって、言う時は相手に対して全力で敬意を払っているし、僕の言われたい言葉NO.1でずっとあり続けている。
僕の中でのインターネットの意味を無理やり言語化すると、なんだろう、「無益な道化」「全く意味のない美学」「オシッコとうんことゲロのカクテルを素晴らしいものだと品評する老紳士」「真実の下痢便」とか、そんなようなのが近いかもしれない。
でも「お前って真実の下痢便だな」って言われたら怒る。めっちゃ怒る。小さい子だったら親呼んで泣くまで怒る。だから、厳密にはどれも違うし、やっぱりこのニュアンスはインターネットとしか言い表せないと思う。
説明するのが難しいので説明するのをもう諦めるけど、とにかく今日は今まで僕が会った中で一番インターネットだった男の話をしたい。
彼とは中学生の時に、当時通っていた塾で出会った。名前は内田くん。
見た目は、そうですね、インターネットでしたね。えーと、きっとこれはみなさんと共通の認識だと思うんですけど、見た目に対してのインターネットという評価は完全に悪い意味です。キモオタでした。
仲良くなったきっかけはあんまり覚えてないんだけど、まあ冴えない同士で気が合ったんだと思う。事実、2人ともテキストサイト(当時流行ってた文章だけの個人サイト)とか見てたし、趣味は合った。
そんなわけで僕と内田くんは、くだらない話をしながらいつも一緒に帰ってた。ところが、ある日、僕は同じ学校の女の子とたまたま授業終わりに話をしてて、流れでその子と一緒に帰ることになった。
それを見た内田くんが顔を真っ赤にして身体を震わせながら「永田くん?! 永田くん!! キミもそっちに行くのかい?! 行かないでくれよ、永田くん!! いつもみたいにエロゲーの話をしようよ!! 人体改造モノの!! ねえ、射乳の話しよ!?」と女の子に聞こえるように塾内で大声で叫び出した時、こいつを殺そうと思ったと同時に、悔しいけど身体全部でインターネットしてるなと感心してしまった。
当時は携帯メール全盛の時代、内田くんとは塾外でも連絡を取り合ってたんだけど、こいつから来るメールというのも大概ふざけていた。
基本的にはプレイしたエロゲーの気に入った文章を唐突に送り付けてくるだけなのだが(「逸脱」というゲームの「おれは、射精した」という一文を特に気に入っていた)、急にめちゃくちゃな長文メールを送り付けてきたことがあった。
内容は「同じ塾の榎本くんという男に『うんちをするところを見てくれ』と頼まれた僕が、彼の排便シーンを眺めて何かに目覚めてしまう」というのを克明に綴った文字通り糞みたいな官能小説だった。うんちの出る「ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅううううぅぅぅ~~~~~」という音も克明に綴っていた。
携帯メールに受信料がかかる時代にてめえナメてんのかという内容だが、その榎本くんというのがそんなに注目されない、言ってみたら塾内の冴えない存在で(もちろん一番冴えないのは俺たちだったけど)、誰も話題にしないわりによくよく顔を見るとなんか面白い、という絶妙な人選だったことにも腹が立った。
ふざけんなよ、すっげえ面白いじゃねえか。内田くんの才能にますます腹が立つ。
以来、榎本くんがクラスに入ってくるたびに「永田くんのフィアンセが来たよ」と囁き、トイレに席を立とうものなら「永田くん、行かなくていいの?! チャンスだよ!? 絶対待ってるって!!」と大興奮する内田くん。
授業後にいきなり塾教材の裏に描かれた腕時計の絵を見せてきて、「永田くん、腕時計のスケッチをしてたら気付いたら授業終わっちゃったよ」と微笑む内田くん。
そのくせ頭が良くて、いつも僕よりテストで良い点を取り「永田くんって…、ふふふ…、やっぱり……、ちょっと頭がアレなんだねぇ…」とニヤつく内田くん。たまに僕に負けると目を見開いてガクガクと痙攣し始める内田くん。
僕の記憶の中の内田くんはいつだってインターネットだ。
なぜか最近やたらと内田くんのことを思い出す。内田くんのようなインターネットな人間がインターネットにおらず、僕みたいなインターネットじゃない奴がインターネットに残っている。
オモコロで記事を書いたりだとか、あの頃一緒に見ていたテキストサイトの延長のような仕事に就いてる僕のことを内田くんはどう思うだろうか?
「すごいね」と言ってくれるだろうか? それとも「永田くんって…、ふふ…、全然面白くないねぇ…」とニヤつくのだろうか? なんとなく後者な気がするし、そうであってほしい。
どうしても内田くんのことが気になって、Facebookで本名を検索してみたが見当たらなかった。残念だったけど、安心した。Facebookなんて全然インターネットじゃない。
Google検索してみたら、10年くらい前の地域の将棋大会みたいなものに内田くんと同姓同名の人が出ていた。将棋が趣味だったかは忘れたけど、あれが内田くんであってほしいな。
ブログを始めました
ずっとブログやりたいなと思ってて。でも、どうせすぐ書かなくなるだろうなって。それで始めるのをためらってたんですけど。
こないだ電車の中で数独の答えをカンニングしてるジジイがいたんですよ。いや、突然話題変わってすみません。知ってます、数独? ナンプレとも呼ばれる誌面パズルみたいなやつです。
で、その数独やってるジジイなんですけど、答え合わせとかじゃなくて、完全にカンニングしてたんです。解答欄真っ白だったし。それで僕、そのジジイを見た時にすごくムカついてきちゃって。
じゃあ数独やめろよ、って。考えるのがダルくなってカンニングするぐらいなら数独やめろ。いくら一番正解まで早いからってそうじゃないだろ。ジジイよ、お前は絶対に間違ってる。そう勝手に憤ってたんですけど、ふと気付いたんです。
この数独の答えをカンニングしてるジジイは俺だ。
今沸いてる怒りの感情は同族嫌悪なんだ、と。このジジイは俺だ。俺なんだ。俺は一体いつまで数独の答えをカンニングするような生き方をするんだろう?
もうやめよう。数独の答えのページなんて本来いらないんだ。解き終わったパズルが合ってるかどうかなんてそんな気になるか?
というわけで、本日からブログを始めました。更新停止の未来をカンニングして楽をするな。自戒を込めてブログタイトルは「数独の答えをカンニングするジジイ」にしました。
現時点では気に入ってるけど、もしもこのブログ関係で何らかのオフ会的なものに出るとしたら「数独の答えをカンニングするジジイです」と挨拶しなきゃいけないのが怖い。そんな奴来るな。家で数独の本をすごいスピードでずっと消費してろ。
その嫌さを回避しようと「数独の答えをカンニングするジジイの管理人です」とか言ったら、さらに最悪のディストピアが完成する。諸悪の根源はそいつだ。やけに流線型のソードを持った主人公がすぐに殺しに来るぞ。逃げろ!
と、こんなことを考えるのも、数独の答えをカンニングする行為なのかもしれない。やめろやめろ。いい加減、真っ向から数独と向き合うべきだ。
あなたはどうですか?
数独の答え、カンニングして生きてませんか?
まあ、冷静に考えたら、「NO」ですよね。まず数独やんないですもんね。
僕も2駅くらい過ぎたところで別に違うわ、と思いました。タイトルは響きが気に入ったので付けました。よろしくね!